Japanese
English
症例
急性虫垂炎性汎発性腹膜炎と誤まられた右側卵管間質部妊娠破裂の1例
A Case of Rupture of Graviditas Tubaria Interstitialis, Diagnosed as a acute Panperitonitis due to Appendicitis
宮川 忠弘
1
,
斎藤 尚二
1
Tadahiro MIYAKAWA
1
,
Shozi SAITO
1
1青森市東青病院外科
1Tosei Hospital, Aomori
pp.143-144
発行日 1954年3月20日
Published Date 1954/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201390
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- Abstract 文献概要
子宮外妊娠は産婦人科に於ては日常屡々,経験する所であるがその一部である卵管間質部妊娠は比較的稀に見られる疾患である.沢崎,輿石氏等によると,東大産婦人科教室に於ける30年間(1931〜1950)の子宮外妊娠は197例にして卵管間質部妊娠はその中僅か4例(2.03%)に過ぎない.而して本症は胎嚢破裂により又は卵の死亡によつて妊娠が中絶されるが多くは早期に卵管壁破裂を来し,突然の疼痛発作,惡心,嘔吐を伴い急性腹部症状を呈し,時として急性穿孔性腹膜炎との鑑別困難なことがある.我々は妊娠第3月に合併せる急性穿孔性虫垂炎による汎発性腹膜炎の診断の下に開腹し,右側卵管間質部妊娠破裂症なるを確認した症例を経験したので茲に報告する.
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