Japanese
English
症例
蛔虫症に依る不還納性ヘルニアの1例
A Case of Unreplaceable Hernia by Ascaris
門脇 一彌
1
,
大西 省司
1
Kazuya KADOWAKI
1
,
Seizi ONISHI
1
1國立福知山病院外科
1Surgery of Fukuchiyama National Hospital
pp.36-37
発行日 1953年1月20日
Published Date 1953/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201177
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- Abstract 文献概要
寄生虫病はこゝ数世紀に亙つて,実に結核や癌に勝るとも劣らぬ程の猩厥を極めてきた.Stollの推計に依ると,全世界には7200万の條虫症,14800万の吸虫症と20億以上の線虫症が居ると言う事である.
就中,蛔虫症の蔓衍は眼を覆わしむるものかあり,一昨年著者等が福井縣下の小学生,中学生約5000人を対象として檢した結果に依ると都市在住者にして80%,農村在住者にして93%,毎月駆虫剤を服用せる学校に於てさえも5.6%の保虫率を示しているのである.尚本檢査は單なる塗抹標本に依る檢査にして,より精密に浮游法を行えば保虫率はより増加するものと思われる.以後寄生虫病に興味を抱き文献をあさる途中,蛔虫の迷走に関し興味ある事実を見出し,又著者等もその1例を経驗したのでこゝに発表し,諸先輩の御批判を仰ぎたいと思う.
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