Japanese
English
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特発性総胆管拡張症の1例
A Case of Dilatation of the Common Bile Duct
竹內 幸孝
1
Sachitaka TAKEUCHI
1
1東京遞信病院外科
1Surgery, Tokyo Teishin-Hospital
pp.137-138
発行日 1952年3月20日
Published Date 1952/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200992
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1.緒言
本症に関しては既に1723年Vaterの記載があるが詳しくは1887者Todd 1853年Douglasの報告がある.爾来本症は極めて稀有なる疾患とされJudd & Greene(1926)はMayo Clinicに於て胆道系の手術17.381例に1例を経驗したのみと報じている.然し近年その知見の普及と共に報告例も漸次増加し本邦のみにても既に136例の多きに達している.Shallow Eger and Wagner(1943)は内外例175例に就て詳細なる報告をなしその中44例(25%)は本邦例にして他の報告者と共に比較的日本人に多きを指摘していることは注目すべきである.然し術前確診を下されたものは極めて少く(175例中22例12.6%)單に姑息的療法に止り或は診断不明のまゝ荏苒日を送りしものは予後絶対に不良にして何れも剖檢により初めて病因を確認し得たと云う事実は尚,本症に対する一般の知見の不足を物語るものであろう.
私は最近本症の1治験例を得たので追加報告し併せて若干の檢討を加えて見度い.
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