Japanese
English
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局所凍傷に関する2,3の問題に就いて
Some Problems Concerning the Lcoal Frostbite
阪田 泰正
1
Yasumasa SAKATA
1
1廣島醫科大學外科教室
1Surgical Dept. of Hiroshima Medical College.
pp.83-86
発行日 1951年2月20日
Published Date 1951/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200769
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I.緒 言
東・北満の如き極寒地の凍傷は,日本に於けるものの比にはあらず.忽ちにして患部は白色に凍結し,壞死に陷るもの多く,其の慘酷なる症状は,目を蔽しわむるものあり.然れども,その予後判定に関しては,内外共に余り報告を見ざるところなり.余は,昭和16年の冬より昭和20年の春まで東北満,元虎林陸軍病院に勤務し,その間,部隊及び開拓團,地方人の凍傷患者270例を診察し,其の症状経過を観察し,統計的見地より凍傷の予後判定上の参考となるべき知見を得たるを以て,数回に亘り虎林,牡丹江地方の研究会の席上で発表せり.然るに終戰と共にこれら多数の症例報告は悉く燒却せられたれば,当時の成績の残片的のものを蒐集し,抄録的のものに書きまとめ,多少,独断的な嫌はあるが,之を茲に発表して,先学諸氏の御叱生を仰がんとす.なおこの研究に関しては,当時,虎林病院に勤務せる阿部.原.奏.牛山.大前諸氏の献身的な援助めありたることを附加し感謝の意を表す.
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