最近の外国外科
—America—麻醉中心臟障碍に対する塩酸プロカイン液靜脈内注射療法,他
C. L. Burstein
pp.320-321
発行日 1950年6月20日
Published Date 1950/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200663
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バースチィーン氏は塩酸プロカイン100ミリグラム(0.1Gm)を1%溶液として4名の患者,即ち2名は27歳及び40歳の男子,他の2名は43歳及び69歳の女子で,何れも心嚢膜切除術,甲状腺切除術及び鼡蹊ヘルニア根治手術のため全身麻醉を施しておる最中に心臟障碍を起し,それを処置するために注射したのである.
元来プロカインは局所麻醉藥であるが,中枢神経系統には興奮剤となるもので,全身麻醉藥で惹起される心臟の過剰興奮性を減退せしめる傾向を持つている.この報告のされた場合もプロカイン液が2名の患者では不整脈を整脈にし,又1名では心悸亢進及び高血圧を正常状態に復し,1名では心搏緩徐及び低血圧を正常に戻した.しかし,これで全く治癒するわけではない.或る一定の範囲で機能を正常にするのみである.
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