Japanese
English
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急性胃蜂窩織炎の1例
Akute Magenphlegmone
川口 修三郞
1
,
町 秀夫
1
Syuzaburo KAWAGUCHI
1
,
Hideo MACAI
1
1佐世保共濟病院外科外科
1Medical Dept., Saseno Kyosai Hospital.
pp.93-96
発行日 1950年2月20日
Published Date 1950/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200600
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緒言
私等は,最近腹部の激痛及膨満を主訴とする患者に遭遇し,手術に依つて初めて急性胃蜂窩織炎なる事を確め得たので茲に報告する次第である. 周知の如くこの疾患は極く稀な疾患であつて,試みに文献を繙いてみるに,欧米では既に1896年Leithか本疾患に関し1書を著しているに始まり,1910年にLundbergが自己の症例17例を加え215例を発表し以来Finsterer, Victor Or—ator, K. F. Koch, Friedlich Bauer, H. Nahr—ath, Otto Bstch, F. Neugebauer, P. Slanina等か相踵いで発表している. 本邦に於ては報告例少く昭和10年に長谷川・高田(慈大),三井(東北大),中村(海軍)及本年2月大鈴の各1例が報告されている程度であつて,その診断も亦極めて困難で洋の東西を問わず,過去に於ける症例に於ても,その殆んどすべてわ,腸閉塞症とか或いわ穿孔性虫垂炎兼汎発性腹腹炎或いわ穿孔性胃潰瘍となし,これが手術又わ剖檢に依り初めて胃蜂窩織炎なる事を確め得たような状態であつて,術前本疾患の診断を適確に下す事わ殆んど不可能と言われる程である.
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