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機能檢査法
外科に於ける自律神經の機能檢査法
The Examining Method of the Function of the Autonomic Nervous System From A Surgical Pointof View.
中山 恒明
1
Kōmei NAKAYAMA
1
1千葉醫科大學中山外科学教室
1Chiba Medical Univ.
pp.516-519
発行日 1949年10月20日
Published Date 1949/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200536
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「臨牀外科」の編集部から表題の如き原稿を依頼されたがこの自律神経機能檢査法は特に外科に於て特長づけられた何物もなくそれわ一般患者に於て施行せられている方法に從つて我々の所でも施行しているに過ぎなく,それ等の方法は既に成書に記載せられたものであり,最近でも東大沖中教授の自律神経檢査法なる單行本も発行せられている. しかし私は最近喘息患者とか又特発性脱疽等の謂所自律神経支配障碍による疾患を多数加療するの機会を得て二,三其の檢索を行つたので其の檢査法と成績とに就いて簡單に記載して皆様に参考に供する次第である.
既に御存知の様に1909年エッピンゲル並にヘス氏は臨床にこの自律神経系の病的状態と思われる緊張異状特に交感神経と迷走神軽との緊張異状が実驗的の根拠から藥理学的に実証せられる事を提唱し,又臨床的檢索の結果健常者では交感神経と迷走神経とは拮抗作用があつてこの両者に依つて支配されている臟器は一定の平衡状態を保つているのであるが,或場合には交感神経の緊張の方が強く,又或場合には迷走神経の緊張の方が強い場合がありそれ等は,アドレナリン及びピロカルピンの注射に依り明らかに区別し得る事を報告している. これが具体的に自律神経性の反應を藥物注射に依つて決定せんとした最初のもので今日我々の臨床上に使用しているジンパチコトニー並にワゴトニーなる命名も氏等に依るものである.
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