特集 蛔蟲
蛔蟲による腹部膿瘍の1例
山本 淸
1
1三樂病院外科
pp.77-80
発行日 1948年2月20日
Published Date 1948/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200296
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緒言
蛔蟲は最も普遍的なる寄生蟲であり,我國に於ては約40〜80%の寄生率を示し,田舎に於ては殆んど100%に近い高率を示してゐる。最近の家庭菜園其他の事情により,都會に於ても相當の寄生率を示すであらうことは想像に難くない。最近の報告よりして,所謂蛔蟲症も更に増加してゐるものと思はれる。蛔蟲め異所寄生による病變の中,小腸と解剖的連絡を有してない部の迷入としては肋膜腔,腹膜腔,泌尿器系,循環器系,神經系,生殖器系,筋肉,皮下等總ゆる個所への迷入可能であるが,最近腹腔内に膿瘍を形成した1例を經驗したので茲に報告し從來の症例に追補する。
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