最近の米國外科
轉移性腦膿瘍の外科的處置,他
Rizzoli H. V.
,
McCune W. S.
,
Sherman I. J.
pp.118-124
発行日 1949年3月20日
Published Date 1949/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200432
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リゾリー氏及び協同研究者によれば,腦膿瘍は通常3つの原因,即ち(1)副鼻腔或は乳嘴突起蜂窠から直接波及(2)頭蓋骨の複雜骨折及び頭蓋腔内異物から(3)身体何れか他の部分の感染巣の轉移から發生するとして,この第三のものに就て論述して居る。
著者等は全治した轉移性腦膿瘍の10症例を集めて居る。但しこれ等患者中1例は2年後に身体の他の部分に多數の膿瘍を發生して死亡したが,頭蓋腔内感染の證據は何等認められなかつた。又10症例中7症例の原發膿瘍は胸腔内にあつたもので,3症例は他の部分の膿瘍からであつた樣であつた。即ちこの3名中2名は扁桃腺炎に罹つて居る。然し1名には扁桃腺炎の發病する1週間前に,發熱,咳嗽,喀痰があつた。最後の1名は腦膿瘍の始まる時に大腿に膿瘍を有して居つた。然し腦症状が現れた時には,この患者もレ線によつて左肺に炎症(Pneumonitis)の存在することが示された。この患者は後に死亡したが,その時には,兩側の肺に多數の慢性膿瘍を有して居つたことが發見された。
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