特集 蛔蟲
肝臟内に多數の蛔蟲を證明した1例
田中 等
1
1東京大學醫學部福田外科教室
pp.64-67
発行日 1948年2月20日
Published Date 1948/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200290
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
蛔蟲がその平常の棲息個所たる小腸を離れて異所迷入を起すときは,屡々その宿主に對して致命的障碍を與える。異所迷入に關しては從來蟲垂,膽嚢,膽管,肝,膵,脾,膀胱,子宮,卵巣. 腹膜腔,胸膜腔,心膜腔,肺,氣管,鼻腔,鼓室,涙管,肺動脈等が擧げられているが當教室に於て昭和21年12月,臨牀上膽石症樣症状を呈し,手術によつて肝臟内に多數の生きた成熟蛔蟲を證明した症例を經驗したので,こゝにその臨牀經過並びに手術所見を報告する次第である。
Copyright © 1948, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.