1200字通信・64
身なりについて―新医師へ贈る言葉
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.431
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105029
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最近では,医学部の5年生になるとき,白衣の贈呈式があるそうです.私の時代には,そうした儀式はありませんでしたが,5年生から白衣を着て患者さんと接することになりました.そこでは,「男子はきちんとネクタイをすること.女子は過度な化粧や装飾品は控えること」と指導された記憶があり,それまでの蛮カラな服装での学生生活とは違って,緊張とともに,この仕事に就くことになるのだという自覚が芽生えたものでした.
私が尊敬する元熊本大学外科教授の小川道雄先生は,その著書『研修医のための早朝講義』*1のなかで,いの一番に「ネクタイを着用し,白衣のボタンをかける」と題した講義をなさっています.先生は,「いくら立派で優秀な医師であってもだらしない身なりでは,初めて会ったときから敬遠され,医師としての本当の力を発揮できない」と指導され,医療界に限らず,人と人が接する上での身なりの大切さを説いておられます.
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