Japanese
English
臨床報告
腸重積をきたした小腸血管脂肪腫の1例
A case of small intestinal angiolipoma causing intussusception
松尾 達也
1
,
久保 洋
1
,
甲斐 敬太
2
,
原田 貞美
1
Tatsuya MATSUO
1
1多久市立病院外科
2佐賀大学医学部病因病態科学病理学
キーワード:
血管脂肪腫
,
回腸
,
腸重積
Keyword:
血管脂肪腫
,
回腸
,
腸重積
pp.1457-1460
発行日 2012年11月20日
Published Date 2012/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104365
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要旨
回腸終末部に発生した血管脂肪腫が先進部となり,腸重積をきたした症例を経験した.患者は47歳,男性で,突然の激しい臍周囲痛のため救急車で当院を受診した.腹部CT検査で回盲部を中心とした急性腸炎と診断し,加療を開始した.経過中に腸閉塞を発症し,小腸造影および大腸内視鏡検査から結腸腫瘍(血管腫)を疑って開腹手術を施行したところ,回腸腫瘍による腸重積と,これによる腸閉塞症と判明した.腫瘍は4cm大の粘膜下腫瘍で,病理組織学的に毛細血管の増生と成熟脂肪組織を混じる血管脂肪腫と診断された.検索しえた限り,わが国において消化管原発の血管脂肪腫は10例目であり,稀な症例と考えられた.
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