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特集 次代のMinimally Invasive Surgery!
甲状腺癌に対するminimally invasive surgery―有用性と将来展望
Minimally invasive surgery for thyroid malignancy: its usefulness and prospect for future
清水 一雄
1
,
赤須 東樹
1
,
五十嵐 建人
1
,
岡村 律子
1
,
ヘイムス 規予美
1
,
竹間 由佳
1
,
軸薗 智雄
1
Kazuo SHIMIZU
1
1日本医科大学外科学講座(内分泌・心臓血管・呼吸器部門)・内分泌外科
pp.608-613
発行日 2012年5月20日
Published Date 2012/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104059
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【ポイント】
◆Minimally invasive surgeryとは,内視鏡下手術に代表される手術によって患者の生体に与える直接的な肉体的侵襲のみならず,整容面,入院期間の短縮なども含めた術後の精神的な苦痛を軽減し,術後のQOLをさらに軽減させる術式である.
◆特に甲状腺手術では露出された前頸部に手術創が入ることや,女性に多い疾患であることから,今まで整容面で様々な工夫が凝らされてきた.しかし,整容面の利点が明らかな内視鏡下手術の登場によりこの問題は解消され,その需要が高まっている.
◆予後のよい甲状腺乳頭癌,特に直径1cm以下の微小乳頭癌は内視鏡下手術のよい適応である.また,全摘の必要な甲状腺癌のなかで,遺伝子診断陽性である家族性髄様癌の予防的全摘,また全摘を必要とする放射能被曝後の甲状腺微小乳頭癌も適応としている.その正確な適応診断のためには,超音波などによる腫瘍の局在部位,大きさ,リンパ節転移の有無など慎重な術前評価が必要である.
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