Japanese
English
臨床報告
非ステロイド系抗炎症薬によると思われた多発結腸潰瘍穿孔の1例
A case report of perforated multiple colon ulcers induced by nonsteroidal anti-inflammatory drugs
倉橋 康典
1
,
稲本 道
1
,
篠原 尚
1
,
白潟 義晴
1
,
牧 淳彦
1
,
水野 惠文
1
Yasunori KURAHASHI
1
1兵庫県立尼崎病院消化器外科
キーワード:
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)
,
結腸潰瘍
,
大腸潰瘍
,
穿孔
Keyword:
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)
,
結腸潰瘍
,
大腸潰瘍
,
穿孔
pp.278-281
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103966
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要旨
症例は37歳,女性,月経痛が強く市販のNSAIDsを常用していた.外耳炎に対し近医でNSAIDsを処方され,内服2日目に心窩部不快感を自覚し内服を中止した.5日目に黒色便と下腹部痛,7日目にCTでfree airと腹水を認め,当院へ紹介され,緊急手術となった.手術では上行~横行結腸に約10か所の穿孔を認め,同部位の切除・上行結腸人工肛門造設を行った.摘出標本では結腸紐に沿って3列に並ぶ多数の潰瘍を認めたが,病理学的には非特異的潰瘍であった.NSAIDs起因性大腸穿孔の報告はきわめて稀であるが,患者が市販のNSAIDsを常用している可能性があり,少量投与でも起こりうることを念頭に置く必要があると考えられた.
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