1200字通信・36
形見
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.194
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103944
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- 文献概要
ある年の1月半ば,そろそろ正月気分も醒めた頃になって,二人の重症患者さんを抱えることになりました.Aさんは私が担当した方で,術後5日目になって急に呼吸苦を訴え,いわゆるARDSと診断されました.すぐに薬物治療を開始し,さらに気管挿管して人工呼吸器管理となりました.もう一人のBさんは肝疾患が重症化した方で,こちらは内科の先生が担当でした.
それぞれに主治医を決めてはあるものの,こうしたときには医局の先生方の知識と技術を総動員することになります.Aさんには気管切開などの外科的処置を私が行い,薬物治療では内科医の力を借りることになりました.また,Bさんについては,中心静脈カテーテルの処置などは,手慣れた外科医が行うことになりました.
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