1200字通信・23
続・カナダ紀行―卒業式と医療制度
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.156
発行日 2011年2月20日
Published Date 2011/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103413
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昨年の65巻13号に,カナダ旅行で経験したことから日本の「今」を垣間見た気がしたと書きましたが,今回はもっと気楽に旅行の思い出話をご紹介したいと思います.
今回のカナダ旅行は,末の娘が留学していた高校の卒業式に参列するためでした.もっとも,日本のそれとは大きく異なり,生徒のためではなく家族のためのセレモニーとして行われているようで,普段はコンサートホールとして使用されているバンクーバー市内の大きな劇場での式典でした.卒業生たちは黒いガウンに赤い“vee”という布を首にかけ,赤い房が付いた四角い帽子で正装しています.この房は,学生のときは左側に垂らし,卒業すると右側に垂らすそうで,壇上で校長先生と握手を交わして卒業証書を貰うと,各自が房を右側に移動させていくという姿には,親として感慨深いものがありました.また,校長先生を始めとする先生方も立派な黒のガウンを着ておられ,それぞれの立場を表すのか,色や大きさの違った布を肩にかけておられました.この光景は,さながら「ハリーポッター」の世界とでもいったもので,バグパイプの生演奏で始まり,約3時間にわたる式典のあと,やはりバグパイプの演奏で終了するまで,長い式典に不慣れな私たち日本人家族にとっても素晴らしく感動的なセレモニーでした.
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