Japanese
English
臨床報告
Upside down stomachおよび結腸の脱出を伴った巨大な食道裂孔ヘルニアに併発した胃癌の1切除例
A case of gastric cancer in“upside-down stomach”due to large esophageal hiatal hernia with herniated colon
渋谷 雅常
1
,
寺岡 均
1
,
中尾 重富
1
,
真下 勝行
2
,
原 順一
2
,
新田 敦範
1
Masatsune SHIBUTANI
1
1馬場記念病院外科
2馬場記念病院消化器内科
キーワード:
食道裂孔ヘルニア
,
胃癌
,
upside down stomach
Keyword:
食道裂孔ヘルニア
,
胃癌
,
upside down stomach
pp.1049-1053
発行日 2010年7月20日
Published Date 2010/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103137
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要旨:患者は87歳,男性.嘔吐および食欲不振を主訴に近医を受診し,胸部単純X線写真で縦隔内に消化管ガス像を認めたため,精査加療目的で当院を紹介された.精査の結果,upside down stomachを伴った食道裂孔ヘルニアに併発した早期胃癌と診断し,手術を施行した.手術所見では約10cmのヘルニア門を有する滑脱型の食道裂孔ヘルニアを認め,横行結腸の一部および長軸方向に180度捻転した全胃が縦隔内に脱出していた.脱出臓器を用手的に腹腔内へ還納したのち,幽門側胃切除術および食道裂孔縫縮術を施行した.術後経過は良好であった.胃軸捻転や結腸の脱出を伴う食道裂孔ヘルニアに併発した胃癌は非常に稀なため,文献的考察を加えて報告する.
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