内視鏡外科トレーニングルーム スーチャリング虎の穴・7
ラパロを制する縫合・結紮トレーニング
内田 一徳
1,2
Kazunori UCHIDA
1,2
1Clinical Advisory Board, M・O・E・T INSTITUTE(Microsurgery & Operative Endoscopy Training)
2たかの橋中央病院外科
pp.1734-1739
発行日 2009年12月20日
Published Date 2009/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102909
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「深イイ」話
先日,JSES主催の縫合・結紮講習会を受講された香川県の先生から「お忙しいところ,突然のお問い合わせ」なるお手紙を頂戴しました.内容はドライボックスのことでした.この先生は熱心にも自作のドライボックスでトレーニングをされているそうで,写真が同封されていました(図1a).この手作り感,たまりません! 段ボールをガムテープで貼り合わせ,大腸外科専門だけあって,みるからにホームセンターで入手したであろう土管で骨盤内を表現…素晴らしい!! この熱意と発想があれば,必ずや先生はラパロの達人となるに違いありません(図1b).
私としましては,この写真を見て1つだけ気になったことがあります.それはドライボックスを置いている台.白黒で分かりにくいかもしれませんが,ところどころすり切れて穴のあいたピンクの丸椅子です.おそらく,長年にわたる椅子としてのお勤めを果たしてボロボロになり,まさに粗大ごみとしてリストラされる間際だったのでしょう.そんなとき先生に拾われ,ドライボックスの台として第二の人生を与えられた丸椅子….「深イイ」話ではありますが,トレーニングにお金がかけられない現実を如実に物語る写真です(図1c).
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