特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
6.肝・胆道
肝内胆管-空腸吻合
島津 元秀
1
,
粕谷 和彦
1
,
阿部 雄太
1
,
菊池 哲
1
Motohide SHIMAZU
1
1東京医科大学八王子医療センター消化器外科
pp.300-302
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102823
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
肝内胆管-空腸吻合術の適応は,肝門部胆管の良性閉塞あるいは切除不能な悪性閉塞に対して,胆管ステントによる内瘻化が不可能あるいは不確実な場合に,主として左肝内胆管と空腸を吻合し,胆汁のバイパス路を造設する手術である.古くはLongmireら1)が提唱した術式があるが,肝外側区域左側を部分切除し,断端に露出した細い肝内胆管と空腸を端側に吻合するため,吻合部狭窄や胆管炎を惹起しやすい欠点がある.
その点,Bismuthら2),中村ら3)の方法は,segment Ⅲの肝内胆管を長く露出し,空腸と側々吻合して広い吻合口を作ることにより,吻合部狭窄を起こすことが少ない.筆者らは彼らの方法に準じて,切除不能な胆囊癌,肝門部胆管癌あるいは生体肝移植症例における胆管-胆管吻合後の狭窄4)に対して肝内胆管-空腸側々吻合を行い,良好な結果を得ているので,その手技について述べる.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.