特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
1.胸壁,腹壁,横隔膜,呼吸器など
胸壁,胸膜の縫合と閉胸
中島 淳
1
Jun NAKAJIMA
1
1東京大学医学部附属病院呼吸器外科
pp.64-67
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102757
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はじめに
本稿では,呼吸器外科領域でよく行われる手術経路である後側方開胸,前側方開胸,胸骨正中切開ならびに胸腔鏡の閉胸法の要点を述べる.
〔一般的注意〕
(1)閉胸前に胸腔内をよく観察し,胸腔内出血や肺からの空気漏れがないことと,ガーゼなどの遺残がないことを確認する.また,手術介助のナースに閉胸の開始を知らせ,ガーゼや手術器械のカウントを必ず行う.
(2)ドレーンの先端が適切な部位に位置していることを確認する.麻酔科医師に術側肺を加圧してもらい,換気が正しく行えることと,無気肺や肺の軸捻転がないことを確認する.
(3)閉胸・手術の終了後,全身麻酔の終了前に胸部X線写真を撮影し,胸腔内遺残物のないことをさらに確認する.ガーゼによる異物肉芽腫症は腹腔内に比べると頻度は低いが,1,000~1,500件の手術に1例の割合で発生すると報告されている1).
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