Japanese
English
特集 肝胆膵外科手術における術中トラブル―その予防と対処のポイント
〔膵切除〕
脾温存膵体尾部切除時の脾静脈の損傷
Prevention and management for injuries of the splenic vein at spleen-preserving distal pancreatectomy with preservation of splenic artery and vein
木村 理
1
Wataru KIMURA
1
1山形大学医学部外科学第一講座(消化器・乳腺甲状腺・一般外科学)
pp.224-229
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103952
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
【ポイント】
◆脾温存膵体尾部切除術には脾動静脈を温存しないWarshaw法と,脾動静脈を温存する方法がある.前者に急性期の脾梗塞や脾膿瘍などの,また慢性期の胃静脈瘤発生などの術後合併症が報告されている.
◆脾温存膵体尾部切除術は,脾動静脈および脾臓を温存した方法が次第に重視されるようになってきている.
◆手技の要点は,Toldtの癒合筋膜を脾静脈の長軸方向に沿って切離し脾静脈後面を露出し,脾静脈を膵から剝離する操作を,想定膵切離線あたりから脾臓に向かって行うことである.安全で確実な方法であり,今後とも広く施行されていく術式である.
◆脾静脈の損傷を考えるとき,この手技がそれを回避するために最も優れている方法であり,これをもってしてこの手技全体がKimura法と呼ばれる所以となっている.
◆本稿では,脾静脈の損傷時の対応について述べた.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.