カラーグラフ 外科手術における新しいテクニック―new art in surgery・21
Kugelパッチによるヘルニア修復術
小山 勇
1
Isam KOYAMA
1
1埼玉医科大学消化器一般外科
pp.1665-1671
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102396
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
成人の鼠径ヘルニアの再発予防にはtension freeの修復が重要である.そのため,現在ではメッシュを用いた修復術が広く行われるようになってきた.現在,いくつかの種類のメッシュが市販されているが,その選択は術者の好みや慣れによるところが大きい.
比較的小さな創で,鼠径管を開けずにunderlayパッチを挿入する方法は原理的には腹腔鏡下腹膜外到達法(TEPP)と同様に,最も確実で再発の少ない術式である.腹腔鏡などの特別な器具を用いる必要がなく,いったん慣れるときわめて単純なやさしい手術である.しかし,他の方法に比べて馴染みが薄く,狭い視野で広い剝離を行うため,視野になれていないと逆に難しい手術となり得る.本稿では,本術式のポイントと注意点を述べる.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.