元外科医,スーダン奮闘記・22
一時帰国―2007年秋
川原 尚行
1
Naoyuki KAWAHARA
1
1NPO法人ロシナンテス
pp.247-249
発行日 2008年2月20日
Published Date 2008/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102039
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中学校での講演(1)
群馬大学教育学部附属中学校に行ってきた.2日間にわたる文化祭の最中であった.1日目は劇などの発表で,2日目の午前中は合唱であった.私の講演は2日目の午後に予定されていた.講演の前,校長先生から当中学校の合唱部は先ほど行われた全国大会で金賞を取ったと伺った.プログラムを見ると,1年から3年までの各学年の合唱,そして最後に全校生徒による合唱がプログラムされていた.私は,こんなことなら午前中に附属中学校にきて合唱を見ればよかったなあ,と思った.
講演を行ったところ,全校生徒が一生懸命に私の話を聞いてくれた.私は講演の最後に中学生にお願いをした.「私はスーダンに向かいます.私のために全員で合唱を行ってください.私にみんなの力を与えてください」.すると,中学生全員が私のためだけに歌ってくれた.まったくプログラムにもなかったことだが,私のわがままである.題名は「大地讃頌」.文字通り大地を讃える歌である.ピアノも中学生が弾いている.全員が一生懸命に大きな声で私のために歌ってくれている.自然と頬を伝わるものを感じた.
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