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現在使用されている自動吻合器は,以前に指摘されたようなアンビルヘッドが抜去できないような場合はほとんどみられなくなった.ファイア後,本体がスムーズに抜去されるためにアンビルヘッドを扁平にしたり,倒れるようにしたりとさまざまな工夫がなされてきている.しかしまれにではあるがアンビルヘッドの抜去が困難となることがあるため,術者はそれぞれの器械の特性を十分に熟知して使用することが必要である.
タイコ ヘルスケア ジャパン社のプレミアプラスCEEA(R)(PPCEEA(R))は,ファイア後にティルトトップアンビルが倒れることにより抜去が容易になるよう工夫がなされている(図1).しかしごくまれにアンビルヘッドが抜去しにくい場合があり,その原因として倒れたアンビルヘッドが吻合ライン断端に引っ掛かっていることがある.こうした場合,本体をむりに引っ張り出そうとはせず,まずアンビルヘッドを少しゆるめた後,ゆっくりと頭側に本体を押し入れてみる.これによりアンビルと吻合ライン断端が自然に離れるため,本体を容易に引き抜くことができる(図2).同様に本体を左右にゆっくりと回転させることによっても抜去が容易となる場合があるので,むりに引っ張らないで行ってみるのもよい.また抜けやすくするための工夫であるティルトトップアンビルヘッド自体が倒れていなければ抵抗がかかり,当然アンビルヘッドは抜去しにくくなる.このためティルトトップアンビルがスムーズに倒れたことを確認することも術者にとって注意すべき点である.ティルトトップアンビルはシャフトについているバネと反対方向に倒れる構造となっているため,バネが腹側にくるようにアンビルヘッドを本体に挿し込むことによりアンビルヘッドが背側に倒れ,確認が容易となる.
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