特集 癌治療のプロトコール2005-2006
Ⅸ.乳癌治療のプロトコール
札幌乳腺外科クリニック
岡崎 稔
1
,
岡崎 亮
1
,
渡部 芳樹
1
,
大口 美代子
1
1札幌乳腺外科クリニック
pp.285-291
発行日 2005年10月22日
Published Date 2005/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100235
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
乳腺クリニックを訪れる患者の要望は,総合病院の診療とは異なり,専門クリニックにおける迅速な対応,疾病についての十分な説明,癒しの雰囲気であろう.われわれのクリニックの理念は,患者サイドに立脚した医療を可能な限り実践することである.
近年の情報化社会にあって,乳がんに関する知識もある程度得て来院する場合,セカンドオピニオンを求めて来院する場合,検診で来院し乳がんが検出される場合など様々な患者がいるが,パターナリズム(父権主義)の時代とは異なり,まず初診時に医療者側がインフォームド・コンセント(IC)を患者にとられているのである.仕事を第一優先に治療を望む患者,生命より乳房が重要な時期である患者,死に対する恐怖でパニックに陥っている患者など,さまざまな心理を最初の段階で汲み取り,同意することが必要である.これが治療の第一歩であろう.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.