特発性頭蓋内圧低下症における下垂体腫大

Enlargement of Pituitary Gland with Spontaneous Intracranial Hypotension

症　例　33歳，女性

　平成14年3月下旬より頭痛が出現した。頭痛は起床時に増悪し，仰臥位をとると軽快した。3月27日に当院を受診し入院した。既往歴・家族歴に特記すべきことなく頭部外傷の既往もない。頭部CTスキャンでは異常なし。意識清明で神経脱落症状なし。血液生化学的にも正常。側臥位腰椎穿刺にて初圧5cmH₂O，細胞数1／3mm²，蛋白27.4mg／dl，糖63mg／dlであり，臨床経過，MRI所見と併せて特発性頭蓋内圧低下症と診断した。脳槽シンチグラムを実施したが漏出部位は特定できなかった。保存的治療にて徐々に症状は改善し5月9日退院した。