Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
MRIで診断された腹側中脳挫傷の1例
A Case of Ventral Midbrain Contusion Diagnosed by MRI Findings
前田 憲吾
1
,
辰巳 万里子
1
,
安田 斎
1
1滋賀医科大学神経内科
pp.732-733
発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901996
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症 例 64歳,男性
平成13年8月3日21時頃神社参道で自転車にまたがったまま転倒しているのを通行人が発見し,当院へ救急搬送された。来院時アルコール臭があったが,頭皮上の外傷はなかった。意識はJapan Coma ScaleでⅢ-100,Glasgow Coma Scaleで6点であった。右への共同偏視を認め,左口角はやや下垂,左上肢の自発運動に乏しく,左膝立てはできなかった。深部腱反射は正常で,病的反射は認めなかった。当日の頭部単純CTでは出血や脳溝の左右差,皮質白質境界の不鮮明化などは認めなかったが,脳梗塞が疑われ,グリセオールの点滴を行った。翌日,意識はJCSⅢ-10に改善した。翌日の頭部単純CTでも明らかな異常はみられなかった。第4病日にMRIを施行したところ,両側硬膜下水腫,右側頭葉外側面と右脳大脳脚部にT2強調および拡散強調画像で高信号の病変(図)を認め,脳挫傷と診断した。退院時には意識清明で,軽度の左上肢の脱力を残すのみであった。
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