「脳と神経」への手紙
—症例報告 脳神経50(5):437-440,1998,落合秀信・他—「突然死をきたした破裂脳動脈瘤の死因における小脳扁桃ヘルニアの意義」について/安井敏裕先生へ
安井 敏裕
1
,
落合 秀信
2
1大阪市立総合医療センター脳神経外科
2県立宮崎病院脳神経外科
pp.777
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901330
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拝啓
上記の論文に関して質問させていただきます。
破裂脳動脈瘤後の突然死のメカニズムの考察として大変に興味深く読ませていただきました。ただし,本例の破裂動脈瘤が前交通動脈瘤か中大脳動脈瘤かに関して質問させていただきます。Fig.1で示されたCTscanは半球間裂に多くの血腫を認めており,またFig.2で示された脳血管撮影では,確かに左中大脳動脈瘤を認めておりますが,Al segmentの非対称があり右側が優位になっております。以上のCT scanおよび脳血管撮影からは右A2—Acom junctionに発生した前交通動脈瘤の破裂によるくも膜下出血を強く疑います。さらに私がこれまでに経験した多発性脳動脈瘤症例のうち前交通動脈瘤を合併していた症例は約90%以上の症例で前交通動脈瘤が破裂しておりました。剖検所見では前交通動脈瘤が破裂していたようですが,クリッピングされた中大脳動脈瘤の破裂の有無について御教示願います。
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