連戴 症候学メモ・63
病的反射とは?
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.1184
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900137
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◆入院時現症の記述にしばしば「病的反射はみられない」という表現が用いられる。ときには「Hoffman反射やBabinski反射などの病的反射は認められない」と書かれることもある。いずれにせよこの病的反射なるものは何を指しているのであろうか。健常人には現われにくい異常な反射という意味で用いられているには違いないが,その内容はまちまちで,異質のものを含んでいる。
◆Hoffman反射は指の屈筋の伸張反射が異常に亢進したときに出現するものである。同じ指の屈筋反射でもWartenberg反射は,Hoffman反射に比べれば強い刺激を加えて誘発するので,Hoffman反射が出るようなときにはWartenberg反射も出現するので,これは病的である。
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