Japanese
English
特集 Functioning adenoma
Functioning pituitary adenomaの病理—免疫組織化学による機能的病理分類を中心に
Pathology of functioning pituitary adenomas with emphasis on the immunohistochemical classification
寺本 明
1
Akira Teramoto
1
1東京大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery,Faculty of Medicine,University of Tokyo
pp.479-488
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204758
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1.酵素抗体法の歴史と原理
生体の組織あるいは細胞の本態を探求しようとする時その構造面と機能面の検索が要求される。免疫組織化学は,組織内に含まれる目的とする物質(ホルモン,酵索等)を抗原とし,特異的な抗原抗体反応を利用した機能的な病理手法の総称である。
免疫組織化学の歴史は,1955年Coonsら3)によつて開発された螢光抗体法に始まる。その有用性は高く評価され,安定した手技として広く用いられてきたが,1966年,Nakaneら20)によつて考案された酵素抗体法はその応用範囲の発展と普及度から,螢光抗体法を凌駕するに至つている。即ち,酵索抗体法における画期的な利点は,電子顕微鏡的観察も可能である点であり21),その他,切片の長期的な保存が可能であること,また螢光顕微鏡装置を必要としないこと,backgroundの組織像が鮮明であること,多重染色が可能であること22)等が挙げられる。
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