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I.緒言
両下肢の疼痛と筋力低下を主訴とする患者に脊髄動脈撮影をおこない,左第2腰動脈から生ずる根動脈を主な輸入血管,後脊髄静脈および前脊髄静脈を輸出血管とする第12胸椎の高さの動静脈奇型を発見した。輸出静脈の血流は頭側に向つており,頭部正面および側面撮影で上錐体静脈洞へ入ることを確かめることができた。
選択的脊髄動脈撮影2)4)がおこなわれるようになつて以来,脊髄の動静脈奇型,血管腫などの診断が確実になり,治療上必要な輸入血管および輸出血管の同定が可能になつた。脊髄の動静脈奇型などで輸出静脈が頭蓋内静脈へ還流する症例を,血管撮影によつて証明した報告も散見される1)3)7)。しかし腰髄の動静脈奇型で輸出静脈が頭蓋内静脈へ還流することを証明した症例はなお数少いので,ここに報告する。
Spinal arteriovenous malformation at the height of the 12 th thoracic vertebral body was diagnosed by selective spinal arteriography. Its main afferent vessel is arteria radicularis magna orginating from the left 2 nd lumbar artery and its efferent vessels are both the posterior and anterior spinal veins, which drain into the superior petrosal sinus through the petrosal vein.
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