一側のCarotis-gabelにおいて異常網状血管像を示した症例の検討

I．緒言

　われわれは，当初，臨床的にくも膜下出血と診断され，重篤な症状を呈したために脳室内出血が疑われた左片麻痺例を経験した。本例では，副腎皮質ホルモン，および，チトクロームCの使用によりいちじるしい症状の改善をみた。

　発症後約3ヵ月で行なつた頸動脈撮影では，右側のGabelの部のみに異常網状血管像が認められたため，約1年間，経過を観察してきたものである。