特集 脳動脈瘤および脳動静脈瘤(第24回日本脳神経外科学会シンポジウム)
脳動脈瘤に対する頭蓋内直接侵襲
鈴木 二郎
1
1東北大学医学部脳研脳神経外科
pp.478-487
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202042
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
脳動脈瘤の破裂が,蜘蛛膜下出血の原因の大部分であり,その動脈瘤の外科的処置が蜘蛛下出血の再発防止上,大きな意義があることは,わが国においてもしだいに常識化されつつあり,脳外科医の経験例も次第に多くなつている1)2)。
著者は今まで男性43例,女性37例,計80例,94動脈瘤,頸部血管のものを加えれば85例,100動脈瘤を経験したが,その中多発性のものは11例,28動脈瘤である(第1図)。このうち著者自身が頭蓋内直接侵襲を加えたものは62例,75動脈瘤であり,内7例の入院中死亡例があり,死亡率11.3%である。その他2例は悪化例であつたが,1例は2カ月後に死亡し,1例は片麻痺を発現し,現在訓練中である。残り53例は1965年11月末現在全例有意の生活を行なつているが,中多発性の1例がときどき指南力が悪くなり,中大脳動脈の1例が右片麻痺を軽度に残しているという成績である(第1表)。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.