特集 第23回日本脳神経外科学会・II
特別討議
極低体温法
工藤 達之
1
Tatsuyuki Kudo
1
1慶応義塾大学医学部外科
pp.333-336
発行日 1965年4月1日
Published Date 1965/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201816
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I.いとぐち
われわれの発表してきた低体温法は体の一部あるいは全部を10℃〜0℃の体温にもちきたす方法である。Bige—low, Gallanらによつて低体温法が開発されてから,より長時間の血流停止を実現するために,より低い体温を得ることに努力されたのであるが,この体温域では,とかく種々の故障が起こつて,その成績が悪かつた。ために,10℃以下の低体温法はダメであるとしてあきらめるか,他の方法によつて目的を達するか,の2つの道がとられた。
われわれは血流を冷却媒体として用いる代りに人工液を用いることによつて,この問題を解決することができた。そして,実用となつたこの温度域に対して,便宜上"極低温"あるいは"極低体温"域と名づけることを提唱した。
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