Japanese
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腦腫瘍2
メタノールの家兎大槽内注入に依る視神經交叉部附近蜘網膜,視神經並びに網膜の變化
Histological Studies on Reaktion in Optic-chiasmatic Arachnoidia, Optic Nerv and Retina of Rabits Injected into Cyisterna Cerebellomedullaris with Methanol.
赤松 二郞
1
Akamatsu, Jiro
1
1倉敷中央病院眼科
1Ophthalmological Dept., Kurashiki Central Hospital
pp.95-99
発行日 1950年3月1日
Published Date 1950/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200100
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第1章 緒論
終戰後各地に多數發生したメタノール中毒盲に對して井街(謙)氏は視神經交叉部の開頭を試み,該部蜘網膜の溷濁,肥厚,癒着等を發見した。更に氏は此膜を剥去し大量のビタミンB1,を局所に注入する事によつて屡々驚くべき視力の恢復を見たので,共成績の一部に就ては嚢に私共(井街他)が報告した。然し「メ」中毒盲に於ける交叉部附近蜘網膜變化の意義特に該膜手術の視力恢復に及ぼす作用機轉に就ては未解決の點が多く,從りて之を實験的に檢索する必要が痛感されるのである。而かも「メ」による蜘網膜變化に關しては井街氏の上述臨床的觀察と更に同氏が「メ」を家兎に經口的に與えて交叉部附近蜘網膜の變化を病理組織學的に檢査した業績があるのみであつて,氏の實驗成績では交叉部蜘網膜の變化は毎常視神經或は網膜神經細胞等の變化と併行的に現われていて蜘網膜變化の意義を解決するに足る所見を未だ示して居ない。茲に於て私は蜘網膜を先づ單獨に傷害する事を計畫し,此の蜘網膜の變化が視神經に變化を及ぼすか否かを檢し,以つて臨床症候の前説に資せんと欲して本報實驗を試み充のである。
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