Japanese
English
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老年者の神經疾患に關する臨牀病理學的研究—第2報 腦動脈硬化と神經症状との相關について
Clinico-pathological Studies on the Nervous Diseases of the Aged:2. On the Relationship between the Arterioselerosis cerebri and the Neurological Symptoms
椿 忠雄
1
Tubaki Tadao
1
1東京大學醫学部内科
1Medical Dept. Tokyo. Univ.
pp.330-333
発行日 1949年9月1日
Published Date 1949/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200062
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1.緒言
我々は前報に於て,浴風園における約20年間に亘る病症記録より老年者の神經系に關する臨床的觀察を行い,老年者に相當高率に神經症状が出現することを認めた。更に本報に於て,我々は同材科について腦動脉硬化の病理解剖的肉眼的所見を觀察し,之を臨床症状と對比して種々の檢索を行い,前述の神經症状の成因に對する血管性變化の役割を檢索した。即ち我々は解剖上の所見と,自覺症状,他覺症状及び血壓との關係を觀察し,之等の臨床症状が腦動脈硬化(以下腦動硬と略記する)と著明な相關關係を持つことを認め,更に腦動硬及び血壓の兩者が,腦出血,腦軟化症,及び腦動脉硬化症状に,如何なる成因的影響を及ぼしているかを檢索した。我々は,この樣な統計的觀察をかかる多数例について行つた報告を未だ見ない。
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