Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
脳幹部髄膜脳炎の増強後 fluid-attenuated inversion-recovery 像
Contrast Enhanced Fluid―Attenuated Inversion―Recovery Imaging of Meningoencephalitis Affecting Brainstem
宮崎 雄生
1
,
田代 淳
1
,
相馬 広幸
1
,
緒方 昭彦
1
,
菊地 誠志
1
,
佐々木 秀直
1
,
田代 邦雄
1,3
,
寺江 聡
2
1北海道大学医学部神経内科
2北海道大学医学部放射線科
3現 北海道医療大学心理科学部
pp.1058-1059
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100575
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症 例 22歳,男性
2002年3月29日より発熱,頭痛とともに急速進行性に歩行不安定が出現し,4月12日当科に入院した。既往歴,家族歴に特記事項なし。入院時体温は37.4℃,神経学的には意識清明で,髄膜刺激徴候や脳神経系の異常は認めなかった。腱反射は全般性に亢進しており,右Hoffmann反射,両側Chaddock反射が陽性であった。踵膝試験で軽度の小脳性運動失調を認め,高度の失調性歩行を呈していた。血液検査では軽度のCRP上昇(0.42mg/dl)以外は特記事項はなく,抗核抗体を含めた各種自己抗体は陰性で,単純ヘルペスウイルス,サイトメガロウイルス,ヒト免疫不全ウイルスを含む各種ウイルス抗体価に異常はなかった。髄液検査では細胞数94/ml(単核球),蛋白123mg/dl,糖43mg/dl(血糖89mg/dl)で単純ヘルペスウイルスDNA(PCR)は陰性,一般細菌および真菌培養は陰性だった。脳MRI増強後T1強調像では延髄表面に増強効果の存在が疑われたが断定はできなかった(図1A)。その直後に撮像したfluid-attenuated inversion-recovery(FLAIR)像で同部位に明瞭な増強効果が確認できた(図1B, C)。保存的治療にて3カ月後には完全寛解し,異常増強像も消失した。
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