Japanese
English
短報
幻覚・妄想を伴ったインスリン依存型糖尿病の2症例
Two Cases of Insulin-dependent Diabetes Mellitus Accompanied by Hallucinatory-delusional State
中里 道子
1
,
児玉 和宏
1
,
佐藤 甫夫
1
,
佐藤 真理
2
,
宮本 茂樹
3
Michiko NAKAZATO
1
,
Kazuhiro KODAMA
1
,
Toshio SATO
1
,
Mari SATO
2
,
Shigeki MIYAMOTO
3
1千葉大学医学部神経精神医学教室
2千葉県こども病院精神科
3千葉県こども病院内分泌科
1Departnient of Neuropsychiatry, School of Medicine, Chiba University
2Division of Psychiatry, Chiba Children's Hospital
3Division of Endocrinology, Chiba Children's Hospital
キーワード:
Insulin-dependent diabetes mellitus
,
Psychosis
,
Consultation-liaison psychiatry
Keyword:
Insulin-dependent diabetes mellitus
,
Psychosis
,
Consultation-liaison psychiatry
pp.1237-1239
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405905050
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インスリン依存型糖尿病(Insulin-dependent diabetes mellitus;IDDM)は,血糖値測定,インスリン自己注射,食事療法など,長期にわたる身体管理を要する慢性疾患である。ケトアシドーシスや低血糖などの急性合併症,網膜症,腎症などの慢性合併症を予防するためには,厳格な血糖値コントロールが必要とされる。
IDDMに精神障害を伴う場合,精神症状の管理が身体合併症の予防や長期的な予後にとって,極めて重要である。精神障害を伴ったIDDMに関する報告は少なく,精神分裂病の合併は極めてまれであると言われている。近年,幻覚・妄想を伴ったIDDMの2症例を経験した。この2症例では,小児科,精神科の協力体制が治療上有効であり,精神症状が著明に改善し,血糖値のコントロールも安定し,糖尿病の長期予後も良好に保たれている。
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