Japanese
English
研究と報告
夏季の外来通院中に悪性症候群を発症し,DIC,急性腎不全を合併した3症例—DIC合併条件についての考察
Three Cases of Neuroleptic Malignant Syndrome Complicated with DIC and ARF, Those were Treated as Outpatients in Summertime by Neuroleptic Medications
谷口 典男
1
,
籠本 孝雄
1
,
松永 秀典
1
,
乾 正
1
Norio Taniguchi
1
,
Takao Kagomoto
1
,
Hidenori Matsunaga
1
,
Masashi Inui
1
1大阪府立病院精神科
1Department of Psychiatry, Osaka Prefectural Hospital
キーワード:
Neuroleptic malignant syndrome
,
DIC
,
ARF
,
Summertime outpatients medication
,
Serum creatine phosphokinase
Keyword:
Neuroleptic malignant syndrome
,
DIC
,
ARF
,
Summertime outpatients medication
,
Serum creatine phosphokinase
pp.1209-1216
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904964
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【抄録】 夏季の外来通院中に悪性症候群を発症し,DIC,急性腎不全を合併した3症例を経験した。治療は,DIC,急性腎不全を中心に進め,CPKが133, 120(IU/l)に達した1例には,血液透析を導入せざるをえなかったが,3症例とも救命に成功した。
本3症例のDIC,急性腎不全の合併には,夏季高温多湿下の外来通院中に発症していること,高熱が1週間近く持続していること,食事水分摂取などが不十分であること,比較的低力価の抗精神病薬を中心とした服薬を入院直前まで継続していることなど,発症に至るプロセスに共通点があった。
DICを伴う悪性症候群の発症に関して,Barkin3)は,高熱に加えて低血圧,アチドーシス,低酸素血症が促進的に働くことが必要であると示唆している。今回の3症例は,入院の時点でこの条件をほとんど満たしていた。
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