Japanese
English
研究と報告
MMPIからみたアルコール依存症者の性格傾向—発症年齢および反社会的行動の観点から
Personality Traits through MMPI in Alcoholics: with respect to age at onset and antisocial behavior
松岡 恵子
1
Keiko MATSUOKA
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部
1Division of Adult Mental Health, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry
キーワード:
Age at onset
,
Alcoholic
,
MMPI
,
Psychopathology
Keyword:
Age at onset
,
Alcoholic
,
MMPI
,
Psychopathology
pp.831-837
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904595
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【抄録】アルコール依存症の診断でデイ・ナイト・ケアに通院する男性患者77名のMinnesota Multiphasic Personality Inventory(MMPI)記録を用いて,問題飲酒が早期(30歳未満)である若年群38名と,早期でない中年群39名の性格傾向を比較した。同様に,反社会的行動のみられた犯罪群20名と非犯罪群57名の性格傾向を比較した。その結果,若年群と犯罪群では,社会の価値観を取り込めない,社会的責任感が低いなどの共通した性格傾向が示唆されたが,若年群ではさらに,MMPI上の精神分裂病的傾向や神経症的傾向が示唆された。この結果から,アルコール依存症者においては,反社会的行動よりも問題飲酒開始年齢のほうが,精神病理的な性格傾向と強い関連を持つ可能性が示唆された。
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