Japanese
English
研究と報告
醜形恐怖症における強迫性の精神力動について
On Obsessive State of Dysmorphophobia through Psychodynamic Approach
鍋田 恭孝
1,2
,
河本 勝
1
,
柏瀬 宏隆
1
,
一ノ渡 尚道
1
Yasutaka NABETA
1,2
,
Masaru KAWAMOTO
1
,
Hirotaka KASHIWASE
1
,
Naomichi ICHINOWATARI
1
1防衛医科大学校精神科学講座
2現,大正大学人間学部
1Department of Psychiatry, National Defense Medical College
2School of Human Studies, Taisho University
キーワード:
Dysmorphophobia
,
Body dysmorphic disorder
,
Obsessive psychosis
,
Obsessive state
Keyword:
Dysmorphophobia
,
Body dysmorphic disorder
,
Obsessive psychosis
,
Obsessive state
pp.183-189
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904491
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【抄録】醜形恐怖症については,これまでに英米圏からも様々な報告がなされているが,我々が提唱する「中核群」における精神力動を検討した報告は少ない。今回我々は,代表的な症例を示し,醜形恐怖症患者に治療的にかかわる際の基礎となりうる視点を提示した。彼らには「見たくない実際の容姿が見えてしまう不安・恐怖」の打ち消しとしての強迫心性と,「見たい容姿が見いだせない」という裏切られた気持ちに由来する妄想的心性とが混在しているが,基本的な精神病理は強迫心性にある。治療者は,上記の苦悩に対して共感・支持を持ち続けながら,現実指向的・教育的なアプローチを個人療法とグループワークの双方で行っていく必要がある。
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