巻頭言
嗜癖精神医学の展開—心因論と器質論の対話
洲脇 寛
1
1香川医科大学精神神経科
pp.794-795
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904370
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ご承知のように,昨今のめざましい医学の進歩と分化により,かつては内科学の1専門分野(speciality)として成立していた精神医学の中に,さらに様々な専門分野(subspeciality)が誕生してきている。精神医学におけるgeneral psychiatry vs subspecialityの問題,あるいは,分化と統合の問題は,私たち精神科医がこれからどのような卒後研修を受け,また,1人1人の精神科医がどのようなsubspecialityを身につけ,生涯学習を続けていくかといった問題と大いにかかわってくるように思われる。また,アメリカでは,嗜癖精神医学(addiction psychiatry)が,小児精神医学,老年精神医学,司法精神医学などと並んで精神医学領域のsubspecialityとして認定されており,これらのsubspecialistになるには,従来の精神科レジデンシーを行い精神科専門医になった後,さらに1〜2年の認定された専門コースの修了と,筆記試験が義務づけられている。
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