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シンポジウム 痴呆の薬物療法の最前線—向知性薬の臨床と基礎
事象関連電位の頭皮上電場分布の変化からみた向知性薬の効果—臨床医の立場から
An Evaluation of Nootropics Using Spatial Analysis of Event-related Potential Topography
平田 幸一
1
Koichi HIRATA
1
1獨協医科大学神経内科
1Department of Neurology, Dokkyo University School of Medicine
キーワード:
ERP
,
Spatial analysis of ERP
,
ERP topography
,
Nefiracetam
,
Nicotine
Keyword:
ERP
,
Spatial analysis of ERP
,
ERP topography
,
Nefiracetam
,
Nicotine
pp.1315-1320
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904235
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我が国における痴呆患者の数は年々増加の一方をたどり,この増加は我が国における重大問題となりつつある。この解決のため多くの研究がなされ,アルツハイマー病をはじめとする痴呆では,コリン作動性ニューロンの活性低下が大きな役割を演じているとの事実が明らかになった12)。この事実に基づき,近年アセチルコリン(Ach)賦活作用があるとされる脳代謝改善薬の投与が試みられつつある。
一方,脳代謝改善薬の効果判定,評価について,従来より知的機能検査,視察法による脳波解析などが行われてきたが,その客観性については常に疑問が持たれてきた。これに対し,事象関連電位(ERP)とりわけP300が,知的機能の客観的評価に用いられつつあり,脳神経細胞の活動性を非侵襲的にリアルタイムで反映する脳地図(以下topography)を使用した客観的,定量的な検討の報告も見受けられるようになってきた5,11)。我々はこの両者,ERPとtopographyすなわちERP topographyを用い,脳血管性痴呆患者におけるAch系調節作用があるとされる脳代謝改善薬,すなわち向知性薬の客観的評価を試みた。
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