Japanese
English
短報
Tiaprideで寛解した皮膚寄生虫妄想の1例
Improvement with Tiapride of Delusion of Dermatozoiasis
前田 潔
1
,
山下 光
1
,
柿木 達也
1
,
山鳥 重
1
Kiyoshi MAEDA
1
,
Hikari YAMASHITA
1
,
Tatsuya KAKIKI
1
,
Atsushi YAMADORI
1
1兵庫県立高齢者脳機能研究センター
1Hyogo Institute for Aging Brain and Cognitive Disorders, Himeji
キーワード:
Delusion of dermatozoiasis
,
Tiapride
,
Diabetes melitus
,
Renal insufficiency
Keyword:
Delusion of dermatozoiasis
,
Tiapride
,
Diabetes melitus
,
Renal insufficiency
pp.1099-1101
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903755
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皮膚に虫などの小動物が寄生していると妄想的に信じ込み,それが見えるとか感じられると訴え,日常生活に支障が出てくるものは古くから皮膚寄生虫妄想として分類され,稀で特異な妄想症の1つとされている。通常は分裂病や薬物中毒の際にみられるものは除外され,これ以外の精神症状をほとんど認めないものが皮膚寄生虫妄想の純粋型とされている2)。
我々は肝硬変,糖尿病,慢性腎不全を伴った高齢女性に発症した皮膚寄生虫妄想を経験したので,その発症機転としての身体合併症について,また今までに報告のほとんどないSPECT所見について考察を加えた。また,本症にtiaprideを処方したところ3カ月の経過で症状は消失し,無投薬にもかかわらず以後3年以上再発をみなかった。本症例および他の報告を考え合わせ,tiaprideを本症に対する第一選択薬とすることを提唱したい。
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