Japanese
English
研究と報告
せん妄の臨床経過と予後—総合病院入院中の74例についての検討
Clinical Course and Prognosis of Delirium retrospective study of 74 in-patients
飯高 哲也
1
Tetsuya IIDAKA
1
1関東逓信病院精神科
1Department of Psychiatry, Kanto Teishin Hospital
キーワード:
Delirium
,
Prognosis
,
Survival rate
,
Malignancy
,
Dementia
Keyword:
Delirium
,
Prognosis
,
Survival rate
,
Malignancy
,
Dementia
pp.1089-1095
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903535
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【抄録】 入院患者に生じたせん妄の臨床経過と予後を検討する目的で74例のせん妄患者と180例の対照群の3,6カ月後の予後をretrospectiveに調査した。結果はせん妄群で有意(p<0.01)に死亡率が高く,6カ月後ではせん妄群の34%が死亡し,その71%は発症から15週以内に死亡した。生存率はせん妄非改善群,持続期間が8日以上の群で有意に(p<0.01)低かった。基礎疾患は悪性腫瘍と痴呆が多く,入院または手術から1週間以内の発症が多かった。せん妄自体は68%が改善しその持続期間は2週間以内がほとんどで,長期に持続する症例は予後が悪く精神科受診の遅れが持続期間の長期化につながった。基礎疾患の種類にかかわらずせん妄の改善の有無と持続期間が予後を判定する上で重要な因子と考えられた。
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