Japanese
English
研究と報告
双極病の長期経過にみられる躁病への極性シフト—内因性精神病の経過力動に関する研究1
The Shift of Polarity to Mania in the Long-term Courses of Bipolar Affective Disorders
石原 さかえ
1
,
岩井 一正
1
Sakae ISHIHARA
1
,
Kazumasa IWAI
1
1東京女子医科大学神経精神科
1Department of Psychiatry, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
Bipolar affective psychoses
,
Long-term course
,
Shift in polarity
,
Predominance of mania
,
Schizoaffective psychoses
Keyword:
Bipolar affective psychoses
,
Long-term course
,
Shift in polarity
,
Predominance of mania
,
Schizoaffective psychoses
pp.1049-1057
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903530
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】 感情病の経過を長期にわたり動的に把握するために,ここでは1施設で継続観察された症例群を対象として,横断面評価基準を適用した病歴調査を行い,双極病における躁うつの極性の長期的変化を検討した。従来の知見と異なり,平均約17年の観察期間を持つ対象47例の半数に,長期経過中に双極の均衡が失われ,躁病極側に偏ってゆく傾向を認めた。この傾向は,純粋な感情病群にも,分裂病症状を伴った分裂感情病群にも共通していた。分裂感情病群でシフトを起こした症例には,経過途中から,分裂病症状が感情病症状から独立して出現し始め,経過の相貌が分裂病化する傾向が有意に認められた。うつと躁,および分裂病症状の出現の連関性と推移の実態を,単一精神病的な経過力動の視点から論じた。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.