Japanese
English
短報
インターフエロン-α-2a投与により幻覚妄想状態を呈したC型慢性肝炎の1例
A Case of Hallucinatory Delusional State Observed during the Interferon-α-2a Treatment for Chronic Hepatitis Type C
山口 聡
1
,
黒岩 千佳
2
Satoshi Yamaguchi
1
,
Chika Kuroiwa
2
1日野病院
2横浜市立大学医学部精神医学教室
1Hino Hospital
2Department of Psychiatry, School of Medicine, Yokohama City University
キーワード:
Interferon-α-2a
,
Chronic hepatitis type C
,
Hallucinatory-delusional state
,
Side effect
Keyword:
Interferon-α-2a
,
Chronic hepatitis type C
,
Hallucinatory-delusional state
,
Side effect
pp.1353-1355
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903366
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インターフェロン-α-2a(以下IFNと記す)は,1977年米国ロシュ社による遺伝子組換え技術を用いたIFN量産化により生産されるようになり10),本邦では1991年12月にC型慢性肝炎に対する使用を厚生省が認可して以来,各施設にて現在積極的に治療に使用され,その成果が確認されつつある状況である。しかし,その副作用7)として初期にはインフルエンザ様症状のほかに,長期間歓投与後には中枢神経系,心血管系,腎,自己免疫疾患などの多臓器にわたるものが報告されている5)。精神症状はCantellら2),Madajewiczら6),Rohatinerら11),Smedleyら12)による傾眠,精神錯乱,知覚異常,運動性障害,見当識障害,幻覚,抑うつ状態あるいはうつ病の悪化などの報告があり,また本邦では廣田ら4)がB型慢性肝炎に投与後の精神症状を報告している。さらに脳波検査では異常所見を高率に認めるという報告がある12)。今回,我々はC型慢性肝炎治療のためIFNの投与により,著しい精神症状を呈した症例を経験したので,ここに若干の考察を加えて報告する。
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