Japanese
English
研究と報告
SPECTとEEGで初期病変を観察しえたCreutzfeldt-Jakob病の1剖検例
An Autopsy Case of Creutzfeldt-Jakob Disease: an early lesion demonstrated by single photon emission computed tomography (SPECT) and electroencephalographic findings
谷井 靖之
1
,
金 英道
1
,
倉知 正佳
1
,
川口 誠
2
Yasuyuki Tanii
1
,
Young-do Kim
1
,
Masayoshi Kurachi
1
,
Makoto Kawaguchi
2
1富山医科薬科大学医学部精神神経医学教室
2富山医科薬科大学医学部第2病理学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
2Department of Pathology, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
Creutzfeldt-Jakob disease
,
SPECT
,
Sleep EEG
Keyword:
Creutzfeldt-Jakob disease
,
SPECT
,
Sleep EEG
pp.1331-1338
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903362
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【抄録】 症例は65歳の男性。1990年7月頃から視覚障害が出現。8月上旬より急速に痴呆症状が進行したため8月27日当科入院。入院時所見としてSPECTでは左頭頂部に限局した明らかな脳血流低下が認められ,脳波所見では同部位に対応するT5領域にphase reversalを示す鋭波が周期的に出現していた。終夜脳波の解析では,徐波成分のパワーに左右差を認めた。同時期に施行したCTおよびMRI所見では特記すべき所見を認めなかった。右上肢から始まったミオクローヌスはまもなく全身に広がり,脳波所見も周期性同期性放電(PSD)に移行していた。終夜脳波の解析では徐波成分のパワーの左右差がより著明になっていた。呼吸器系の合併症にて10月26日死亡。全経過4カ月。剖検所見では左頭頂葉皮質に最も強い海綿状変性を認めた。これらの所見から,Creutzfeldt-Jakob病にみられるPSDの形成過程初期には,大脳皮質の機能低下が関連していること,さらには早期診断や病態把握にはSPECTおよび終夜睡眠脳波が重要であることが示唆された。
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