Japanese
English
研究と報告
Charles Bonnet症候群の1例
A Case of Charles Bonnet Syndrome
足立 直人
1
,
永山 素男
1
Naoto Adachi
1
,
Motowo Nagayama
1
1国立精神・神経センター武蔵病院
1National Center Hospital for Mental, Nervous and Muscular Disorders, NCNP
キーワード:
Charles Bonnet syndrome
,
Visual hallucination
,
Secondary delusion
,
Blindness
,
Aged
Keyword:
Charles Bonnet syndrome
,
Visual hallucination
,
Secondary delusion
,
Blindness
,
Aged
pp.83-87
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903183
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】 症例は84歳女性。64歳白内障手術後に緑内障を併発し,数年で全盲となった。手術直後より特に誘因なく“歌舞伎役者”などの複合幻視を挿間性に繰り返し生じた。幻視は生き生きとして明確なものであったが,当初は現実との区別が可能であった。83歳時,風邪を契機に“獅子”などの慢性的な幻視となり,徐々に家族を巻き込んでの妄想を形成した。ほぼ全経過を通じ,意識は清明であり知的機能の低下も認めなかった。また精神分裂病や躁うつ病も除外された。これらの所見から本例はCharles Bonnet症候群のほぼ中核的な状態に引き続き,2次性妄想を生じたものと考えられた。
幻視を中心とした特異な精神症状と検査所見について報告し,Charles Bonnet症候群の疾患概念とその幻視の特徴について考察を行った。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.