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第144回アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association,APA)が,Benedek EA女史の会長のもとにアメリカ合衆国ニューオリンズ市で,1991年5月11日から16日までの6日間にわたって開催され,参加する機会を得た。学会場は,ミシシッピー川にごく近いコンベンションセンターであり,付近のホテルも会場として使用されていた。会場の近くにはルイジアナ・スーパードーム,古いジャズの聴こえるフレンチクォーターがあったが,ニューオリンズは新旧のアメリカが共存しており,スペインの香りもするローカル色豊かなアメリカ南部の都市とでも言えようか。
APAの会員数は,事務局の報告によると現在のところ36,918人であり,本学会参加者は11,000人前後とのことであった。アメリカ国内はもとよりヨーロッパ,タイ,中国,韓国などからの精神科医の顔もみられ,大規模であり国際色もある学会であった。わが国からは十数人であろうか。プログラムをみるとワークショップ137,シンポジウム122,ノーベル賞受賞者(Watson JD)などの著名人によるレクチュアー31,高名な精神科医によるReview of Psychiatry 5,精神医学・医療以外の専門家によるMedical Update 3など教育講演的な話が目についた。Paperセッション45,Videoセッション25,Filmセッション17などがあり,新しい知見の報告はNew Researchセッション13(600題)で行われた。そのほかDiscussion Groupセッション,Case Conferenceセッション,Research Consultationセッションなどもあって若い医師,研究者に専門家からの助言が行われていた。そのほかAPAの卒後教育の柱であるCME(Continuing Medical Education)の履修単位を取得するためのコースが103準備されていた。したがって,講演・発表の数は全体で千数百に上り,精神医学の領域において考えられるテーマのほとんどが取り上げられていた。講演のための部屋数は,正確には調べておらず,また日時によっても異なるが40〜60くらいで,早朝7時から始まる日もあれば,午後10時まで講演が行われる日もあった。日本からは西園昌久教授が第1発表者となっていた講演がプログラムにあったが,日本精神神経学会と重なったので共同研究者のJoe Yamamoto氏が代わって講演した。
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